電子書籍部ログ

  • W杯と電子書籍 (2014.06.23)

    このところ体調のバランスがやや崩れている。
    W杯のせいだ。

    歳のせいかふだんでも早朝に目が覚めるのはめずらしくないのだが,4時に起きねばというようなストレスをかけて起きるのでは,睡眠の質が違うらしい。

    W杯観戦による睡眠不足が心臓疾患を誘発するという報道もあるので,気をつけなければと思う一方,気になるカードをライブで見る魅力には抗いがたい。

    メディアもW杯の情報をたっぷり流す。
    テレビは試合を放送するだけでなくニュースや特番でも扱い,新聞はスポーツ欄を拡大したり社会面などでも記事を載せたりする。
    おかげで,試合を見,ニュースのハイライトで興奮を反芻し,さまざまな解説を聞いたり読んだりして「なるほど」とか「そうかなあ?」などと思いつつW杯という祭りを満喫させてもらっている。
    サッカーに興味のない人にとってはうんざりという感じだろう。
    申し訳ない。

    雑誌や書籍でもW杯を扱ったものは多く出ている。
    即時性という面ではテレビやインターネットに劣るものの,取材・編集に少し時間をかけてまとめられた記事は深みや厚みを感じさせるものも少なくない。

    ただ,紙版となると印刷・製本・流通という工程にはどうしても時間がかかる。
    W杯のように連日好カードが続くようなイベントであれば,個々の試合の記事の鮮度が落ちるのも早いので,ここは痛いところだ。
    となると,こうした工程を省くことができる電子書籍での出版という形もアリのような気がする。
    新聞と紙版雑誌の中間といった位置づけだろうか。
    実際そうした試みもちらほら目にするようになっている。
    次のW杯あたりでは電子書籍を取り巻く環境や編集手法なども成熟して,はっきりとした形が確立されているかもしれない。

    楽しみが増えるかも…

    今でさえW杯の情報過多なのに,と思われている方々,
    本当に申し訳ありません。


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  • リフロー型への道─(2) (2014.06.16)

    電子版のデータ制作側としては,編集作業の終わり近くで紙版用と電子版用のデータを分岐させ,校了までの編集作業をふたつ並行してやれればと考えるが,編集側からは容易にOKはできない。

    よくわかる。

    チェックすべき対象が倍になるのだ。
    心理的には間違いを見落とす可能性が倍になるというリスクを負う。
    もし内容にミスがあれば,紙版,電子版を問わずその責は編集側のもの。
    ふたついっぺんに編集しているのでミスをしたといった事情など読者には関係ない。

    とはいえどこかで折り合える手立てを見出さなければならないだろう。
    そうでなければ,電子版のデータ制作期間短縮の負荷を一方的にその制作者が負うことになり,そこでの限界はおのずと見えてしまう気がする。

    電子書籍化が推進されるにつれ,こうした問題は今後どんどん顕在化していくと思われる。
    もし売上げの面で電子版が紙版と拮抗したり凌駕したりするようになれば,編集側にもどちらのフォーマットをメインにして編集方法を組み立てるのかがあらためて突きつけられるはずだ。

    上のような編集上のリスクも,ダブルチェックやクロスチェックをすることで内容の精度をあげられる機会だと発想を変えていかざるを得ない。

    デジタルと紙。

    辞書に限れば,低年齢向けのもの以外では,今は完全にデジタルが優勢といっていい。

    うちは辞書編集のなかで,この転換を身をもって体験してきたが,技術面・人手や工程など制作のしくみ・意識の変え方など,対応への道のりはなかなかに険しい。
    特に技術がからむとなれば,新たな課題も次々に生まれてくるのだから。


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  • リフロー型への道─(1) (2014.06.09)

    先日ある出版社より電子書籍用のデータ作成についてのミーティングの打診があった。

    現在の紙の書籍用の組版データ(InDesignで作成)を,いろいろな画面サイズに合わせた表示が可能なリフロー型の電子書籍データにスムーズに持っていくための相談だという。

    うちが関与している書籍もあるので,現場の担当者とともに参加した。

    具体的には上記の件をどのように解決するかという技術的な問題についてのものだった。
    現場レベルでは実作業にかかわることなので,何を求められるのかについて正しく理解することはもちろん必要だ。
    それとは別に,小さいとはいえ電子書籍を出版している立場としては,他の出版社が電子書籍とどのように向き合っているのかの一端をうかがう興味深い機会となった。

    電子書籍制作の流れとしては,まず紙版の書籍の編集作業が終わってから電子書籍をつくる,というのが今のところ一般的だ。
    つまり紙版の準備ができてから電子版の準備ができるまである程度の期間を要する。
    しかし電子版の読者だって紙版よりも読むタイミングが遅くなることに満足のはずはない。
    だから,この期間をどのように短縮するのかが課題となる。

    ページごとにPDFにした固定型の電子書籍データであれば比較的短期間で作成することが可能だ。
    事実このフォーマットで出版されている電子書籍は多い。
    だが,固定型だと読むさいに使用する端末の画面にページ全体が収まらなかったり,ある程度まとまった部分を一覧しようとすると極端に文字が小さくなったりと,読者にとって不都合な面もある。
    またリフロー型のデータはタグ付きのテキストデータとしても扱えるので,コンテンツを加工して二次使用,三次使用を想定するのであればその利便性は極めて高い。

    リフロー型は手間がかかるものの,メリットを考えればそちらへの移行が検討されるのは当然だろう。

    ─続く


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  • 健康診断に来たのに (2014.06.02)

    年に1回会社で健康診断を実施している。

    だいぶ以前は,会社の近くの施設で全員一斉に行っていたが,今は各自が行きやすい場所にあるクリニックや病院などで受けている。
    日時もばらばらだ。

    先週今年の健診を受けてきた。

    上野にあるクリニックでここ数年受けている。
    場所柄か患者や受診者,病院のスタッフもなかなか国際色に富んでいて,そうした感じは嫌いではない。

    予約をした9:00に行くと,「1」の番号のついたクリアファイルが渡された。
    本日最初の受診者ということらしい。
    ファイルの中には診断の数値などを書き込む用紙が入っている。

    ロッカーで検査衣に着替えると,すぐに健診開始となった。
    一番目なので待たされることはない。
    採尿してから身長体重の測定,肺のレントゲン,バリウムを飲んでの胃の撮影,心電図,視力聴力検査,血圧測定,血液採取とノンストップで進行した。

    ここまで20分かかったかどうか。

    あとは問診だけだが,外来の診察が先にあったようで,数分待たされて診察室に入った。
    わりと若めの男の先生だ。

    測定結果が記された書類に目を通していく。

    「心電図はとくに異常なところはありませんね。血圧とかほかの数値も問題はないです」
    机の上のモニタに映っているのは,さっきとったばかりの肺の画像だ。

    「肺が結構大きいですね。たばこは吸いますか」

    「いや,吸いません」

    「そうですか。たばこ吸っていてこの大きさなら肺気腫を疑うんですが。まあ,もとから大きいということですね。心配ないでしょう」

    そ,そうなのか。

    「じゃ,聴診器あてますから前を開けてください……はい,次はうしろを……別におかしな感じはないです。はい,いいですよ」

    よし。

    「最近体調面で気になることはありますか」

    膝や腰がちょっと痛むのはもう持病のようなものだし,老眼が進んで不便だとか言ってもしようがないだろう。
    けっこう早く目が覚めるようになったことぐらいか,変わってきたのは。

    「ここ一年くらい,目が覚めるのが早くなりました。だいたい5時台なんですけど,歳のせいですかね」

    「ああ,それはうつの兆候としてよくありますね」


    え。


    「何かストレスを感じられることはありますか」

    「仕事してますから,それはまあ」

    「ははは,そうですよね。気を付けてくださいね。よくある兆候なんで。じゃあ以上で終了です。血液検査の結果は後日連絡します。お疲れ様でした」

    いや,ちょっと,今かなりストレスかかったんだが…。


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